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ココロの森

ココロの森

季節外れの海辺

 膝を抱えて 海を見ていた

 ふいに吹きつける風が冷たい

 頬をつたうのは 涙かな

 それとも波のしずくかな


 どっちもしょっぱくて わからない

 どっちが悪いかなんて わからない

 
 だって それが恋だもの









 


 季節外れの平日の

 中途半端な 江の島は

 中途半端なこの恋のよう

 中途半端な この恋模様












 いつもの場所から この浜まで

 ひとりで 電車に乗ってきた

 あの人が あとを追ってきた


 すこし 距離をおいて

 すごく 距離をおいて


 まるでふたりの歴史みたいに

 まるでふたりの歴史みたいに












 ねえ、私たちってさ 

 いったい なんだったんだろうね


 自分のココロに問い掛ける

 いくら待っても 答えは出ない


 そう、答えなんてない

 はじめから












 「なにしているの?」

  海を見てるの


 「どこからきたの?」

  うるさいな、もう


 「ひとりできたの?」

  うしろにいるよ
 

 「ねえ、遊ぼうよ」

  ひとりでどうぞ












 何も言わない私に飽きて

 呆れた誰かが立ち去ってゆく












 波が 言葉をさらってゆく

 波が 私をさらってゆく


 いつか ふたりをさらったように

 命を運ぶ 大きな波が

 私ひとりを さらってゆく



 あの人ひとりを 置き去りにして

 あの約束を 置き去りにして



 遠くで待ってる あなたのもとへ

 大きな波が 私を運ぶ





 


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